1 00:00:01,150 --> 00:00:05,805 あなたの給料は、この30年、ほとんど増えていません。 2 00:00:06,055 --> 00:00:11,357 なのに株価は、2024年に34年ぶりの最高値を更新しました。 3 00:00:11,357 --> 00:00:16,279 真面目に働く人が置いていかれ、資産を持つ人だけが先へ行く。 4 00:00:16,529 --> 00:00:20,317 これは、あなたの努力が足りないからではありません。 5 00:00:20,317 --> 00:00:24,445 今日は、この構造を1つの不等式で説明します。 6 00:00:24,445 --> 00:00:30,253 最後に、明日から「立つ場所」を変える方法を3つ話します。 7 00:00:30,903 --> 00:00:33,495 r は資本収益率。 8 00:00:33,495 --> 00:00:37,037 株や不動産が、1年でどれだけ増えるか。 9 00:00:37,037 --> 00:00:39,843 g は経済成長率。 10 00:00:39,843 --> 00:00:43,645 あなたの給料が、社会全体でどれだけ増えるか。 11 00:00:43,745 --> 00:00:46,594 フランスの経済学者トマ・ピケティ。 12 00:00:46,594 --> 00:00:53,869 2013年の『21世紀の資本』で、300年分のデータからこう示しました。 13 00:00:53,869 --> 00:00:59,207 r は、ほぼ常に g より大きい。 14 00:00:59,707 --> 00:01:03,345 r はおよそ年4〜5%。 15 00:01:03,345 --> 00:01:06,813 g は1〜1.5%。 16 00:01:06,813 --> 00:01:10,305 この差が、毎年、複利で積み上がる。 17 00:01:10,555 --> 00:01:14,311 資産を持つ人の富は、寝ている間に増える。 18 00:01:14,311 --> 00:01:18,514 労働で得る所得は、経済の成長分しか増えない。 19 00:01:18,514 --> 00:01:22,220 この差が、格差の正体だとピケティは言います。 20 00:01:23,120 --> 00:01:32,885 日本の現実です。実質賃金は、2022年、2023年、2024年と、3年連続でマイナス。 21 00:01:32,985 --> 00:01:38,788 春闘の賃上げは5%を超えて「33年ぶり」と報じられた。 22 00:01:38,788 --> 00:01:42,761 それでも物価に食われて、手取りの価値は減り続けた。 23 00:01:43,011 --> 00:01:44,803 名目では上がっている。 24 00:01:44,803 --> 00:01:49,736 だから「増えたはずなのに苦しい」という違和感だけが残る。 25 00:01:50,236 --> 00:01:52,754 一方、同じ2024年。 26 00:01:52,754 --> 00:01:59,080 日経平均は1989年の最高値を、34年ぶりに更新しました。 27 00:01:59,080 --> 00:02:03,319 労働の側が沈み、資本の側が浮いた1年でした。 28 00:02:04,219 --> 00:02:05,863 富の分布を見ます。 29 00:02:05,863 --> 00:02:11,559 純金融資産が1億円以上の世帯は、全体のおよそ2.9%。 30 00:02:11,559 --> 00:02:16,343 その2.9%が、469兆円を持っている。 31 00:02:16,443 --> 00:02:24,102 一方、3,000万円未満のマス層は、全体の78%の世帯で、711兆円。 32 00:02:24,102 --> 00:02:28,885 人数で27倍いる側が、持っている額では1.5倍しかない。 33 00:02:29,135 --> 00:02:38,555 そして r > g のもとでは、この469兆円は、711兆円より速く増えていく。 34 00:02:38,555 --> 00:02:42,538 放っておけば、差は開く方向にしか動きません。 35 00:02:43,188 --> 00:02:46,527 労働で得たお金の行き先を考えてみてください。 36 00:02:46,527 --> 00:02:50,123 家賃、食費、税金、保険。 37 00:02:50,123 --> 00:02:57,733 給料は、月末にはほとんど「消費」と「税」に姿を変えて消えます。 38 00:02:57,983 --> 00:03:00,245 一方、資産は違う。 39 00:03:00,245 --> 00:03:05,739 株は配当を生み、不動産は家賃を生み、その利益がまた資産になる。 40 00:03:05,739 --> 00:03:09,349 この循環に入っている人と、入っていない人。 41 00:03:09,449 --> 00:03:15,444 真面目に働くほど貧しくなる、と感じるのは、あなたが怠けているからではない。 42 00:03:15,444 --> 00:03:21,273 給料という「消えるお金」の側にしか、立っていないからです。 43 00:03:21,373 --> 00:03:28,467 ケインズは1930年、「100年後には週15時間働けば足りる」と予想しました。 44 00:03:28,467 --> 00:03:30,942 生産性は予想どおり上がった。 45 00:03:30,942 --> 00:03:33,716 でも、労働時間は減っていない。 46 00:03:33,716 --> 00:03:36,387 増えた分は、どこへ行ったのか。 47 00:03:37,037 --> 00:03:40,302 ここで、反対側の意見も見ておきます。 48 00:03:40,302 --> 00:03:43,972 r > g は法則ではありません。 49 00:03:43,972 --> 00:03:49,374 戦争や大恐慌、高い税率で、資本が壊れた時代もあった。 50 00:03:49,624 --> 00:03:52,227 経済学者ロングリーの反論です。 51 00:03:52,227 --> 00:03:56,900 資本所得の増加のほとんどは住宅、つまり不動産によるもの。 52 00:03:56,900 --> 00:04:00,361 株や機械の取り分は、それほど増えていない。 53 00:04:00,611 --> 00:04:07,587 そして日本は、1990年代からの30年、株も土地も下がり続けた。 54 00:04:07,587 --> 00:04:10,169 r が低かった国です。 55 00:04:10,169 --> 00:04:16,883 「資本を持てば勝てる」は、日本ではつい最近まで、真実ではなかった。 56 00:04:16,983 --> 00:04:22,328 だから答えは「働くな」でも「全部投資しろ」でもない。 57 00:04:22,328 --> 00:04:26,087 構造を知った上で、どこに立つかを選ぶことです。 58 00:04:26,587 --> 00:04:28,896 ここからは個人の見解です。 59 00:04:29,146 --> 00:04:34,245 1つ目。給料の一部を、消えるお金から消えないお金に変える。 60 00:04:34,245 --> 00:04:39,419 金額ではなく、資本の側に「立つ」ことが目的です。 61 00:04:39,419 --> 00:04:43,552 少額でも、r の側に片足を置く。 62 00:04:43,802 --> 00:04:46,405 2つ目。時間も資本です。 63 00:04:46,405 --> 00:04:52,678 誰かの給料のために使う時間を、少しだけ自分の技術や信用を増やす時間に回す。 64 00:04:52,678 --> 00:04:54,965 それは減らない資産になります。 65 00:04:55,215 --> 00:05:03,973 3つ目。r > g の世界で最も損なのは、給料を「見せるための消費」に変えること。 66 00:05:03,973 --> 00:05:08,710 経済学者ヴェブレンが「顕示的消費」と呼んだものです。 67 00:05:08,710 --> 00:05:11,829 それは資本にも、時間にもなりません。 68 00:05:11,929 --> 00:05:14,469 構造は、一人では変えられない。 69 00:05:14,469 --> 00:05:18,207 でも、どこに立つかは、今日から変えられます。 70 00:05:18,857 --> 00:05:24,483 まとめです。資産は働かなくても増え、給料は働いても増えにくい。 71 00:05:24,733 --> 00:05:30,711 日本では実質賃金が3年連続で減り、株価は最高値を更新した。 72 00:05:30,961 --> 00:05:35,157 富は少数の世帯に偏り、放っておけば差は開く。 73 00:05:35,407 --> 00:05:42,036 だから給料の一部を消えないお金に変え、時間を資本にし、見せるための消費をやめる。 74 00:05:42,136 --> 00:05:47,459 この動画の引用や要約には、制作者の解釈と意訳が含まれています。 75 00:05:47,459 --> 00:05:52,840 一般的な情報で、特定の金融商品をすすめるものではありません。 76 00:05:52,940 --> 00:05:59,191 あなたは今、消えるお金の側と、増えるお金の側、どちらに立っていますか。 77 00:05:59,191 --> 00:06:01,255 コメントで教えてください。